邪馬台国はどこに(基礎資料編2)

高句麗はどこへいったの。

本来、邪馬台国が倭の中にあり、倭の国が日本の領土内にあるのなら高句麗の地理など関係がない。

ところが楽浪郡はどこにあり、帯方郡はどこだ。じゃあ公孫氏は・・・・これの場所を確定しない事には

ひとつも特定できないことになる。

最終的には三韓(馬韓、弁韓、辰韓)、三国(百済、新羅、高句麗)の特定までしないことには

すっきりしない事になる。その中で、比較的簡単なものが高句麗だろう。

まずは簡単なものからやっていくのが簡単だ。

旧来、古朝鮮の都王倹城を、高句麗時代の平壌城に、つまり北朝鮮の首府平壌に置いている。

左の地図は社団法人高句麗研究会から借用しました。(すいません。)

基本的に現代の大半の認識どおりだと思う。

そこで山形明郷氏の「卑弥呼は公孫氏」から引用させてもらう。

元史巻五九史第十一地理に次の記載がある

「東寧路(とうねいろ)、もと高句麗の平壌城、またいわく長安城。

漢が朝鮮を亡ぼしたときに、楽浪、玄兔郡を置く。これ楽浪の地なり。

晋の義熙の後、その王高l(こうれん)はじめて平壌城に居す。

唐は高麗を征し、平壌を抜き、その国を東に徒(うつす)。鴨緑水の

東南千余里にあるは平壌の旧にあらざるなり。」

この書によって元の当時、新しい平壌の存在が明らかで、

旧平壌が東寧路にあったことが解る。では、この東寧路はどこか?

随書高句麗伝には「高句麗は平壌城を都とし又の名を長安城という。

山に従って屈曲し南にバイ水を臨む。」とあり、

そのあとに、「高麗王は東晋以降平壌城におり、即ち楽浪郡王倹城也。」

とある。また周書の高麗伝には「王は別に宅をその側に為し、

常には平壌城にはおらず。その外に国内城および漢城あり、

また別都なり・・・」

つまり、左の図の国内城のそばに平壌城があったと推察できる。

唐の時代高句麗が669年(唐の總章(そうしょう)元年)に滅びる。

舊唐書巻六十七列伝に、唐と高句麗は鴨緑水で戦い敗走する高句麗軍を

追って二百里、平壌城に攻め込み高句麗は滅びる。

図で見れば判るが鴨緑水で戦って今の平壌まで逃げるのは少し遠いのではないか。現在の地名の集安が長安であり、

そのあたりに本当の平壌城があったと考えれるのではないか。そして、唐はその平壌城に安東都護府を置く。

又、後漢書の東沃沮伝の注釈に平壌城の西方に蓋馬山(げまさん)、つまり高句麗の蓋馬大山があると言う。

これは現在摩天嶺山があり、千山山脈になっている。

さて、高句麗の位置ですが、平壌の場所が確定した事で今回は終わろう。

あとは逆に百済,新羅から確定するべきだと思う。

なぜなら高句麗は時代によって大きくなっていったからである。ただし、広開土王の碑のあたりに平壌があったことをよく

認識していただきたい。なぜならそこへ倭の軍隊が進出していたのだから。

ちょっと話が脱線するが唐が高句麗を破ったあとのことだが、高句麗研究会の記事を引用しよう

唐が打ち破った高句麗は今の渤海だ - 崔致遠

1)    三国史記 巻46、列伝、崔致遠伝 唐 大師侍中から送った手紙の内容の一部

「総章元年(668)英公徐勣の命により高句麗をを打ち破り、安東都督府を設置し、

儀鳳3(678)にその農民達を河南・朧右に移した。しかし高句麗の残党が軍勢を集めて

北方の太白山の麓を根拠地とし、国名を渤海とした。

2)    東文選 巻47、崔致遠が唐の官吏に送った手紙の内容の一部

「昔、唐の高宗が高句麗を滅ぼしたが、その高句麗は今、渤海になっている。」

(以上)

この高句麗の残党が後に渤海となり、聖武天皇に親戚付き合いをしよう言ったのだから、

日本の天皇家はこの先祖と同一となる。

もう少し引用する

渤海人達は最初、国名を振と呼び、後に渤海と替えた。靺鞨という言葉は書いたことがない。

建国後29年の727(武王・大武芸9)、渤海が日本に国交を結ぶために使節を送りつつ、

渤海は「高句麗の昔の領土を回復し、夫餘から伝えられて来た風俗を修めている

(復高麗之舊居 有夫餘之遺俗) (続日本紀 神亀5117日条)とあり、

高句麗を継承したことを明らかにしている。一方、渤海の使臣についての事実を記録した日本では、

「渤海は昔の高句麗である(渤海郡者 高麗國也) (神亀4929日条)は、

事実を明白に認識しており、渤海と高句麗をあたかも同じ国のように混用している記録が非常に多い。

(以上引用終わり)

これから判るのは、扶余からのでたものが日本へ行き、又別のものが高句麗を作ってさらに渤海となった。

とも解釈が出来る。この辺の事は重要なのでもう一度ゆっくりやらなければ。

 

 

次は百済の場所を考察しよう。

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